【夢の続きが始まりました】石川善一

2000年、歌手デビューが決まった直後まさかのレコード会社倒産。 挫折から22年の時を経て 夢の続きが始まった。 元、学童保育指導員シンガソングライター。 ノンフィクション自伝小説

「 夢の続きが始まりました【第三十三章 (再会) 】」

2022/11/26
石川善一52才です。
 
バンド【O/D'S】 ⇒ 【第三十章】参照


ひょうきんなパーカッションの刀川さんとは楽器屋によく行った。
おっちょこちょいなドラムのシンさんとは、祭りに行ったなぁ…。
真面目なトシちゃんは音楽を分析するタイプ。
こだわって妥協しないシゲちゃん。
梅さんは努力と謙遜の人。
リーダーの落合さんの影響は絶大で、
最初に買った車も落合さんと色違いの同じ四輪駆動車だった。
1つ年下のキーボードのアスちゃんは笑い上戸で妹のような存在。
ショッピングや遊園地に行った。


皆、仲良くて楽しい事だけしか想定していなかった矢先、
サックスの太ピーが不慮の事故で死んだ。
 
太ピーは岩手出身の私より2つ年上の大学生だった。
リーダーの落合さんからの電話で知ったのだが
当時19才だった私には衝撃が強すぎたのだろう…呆然として、
涙が出たのは電話の後30分たってからだった。
 
太ピーは、ものすごく穏やかで、
一緒に居てホッとする兄貴分だった。
私はバンドの練習風景を録音したカセットテープと写真を岩手に送った。
 
家族から手紙が届き、年賀状のやり取りもした。
これからも頑張って下さい…の言葉に「はい」と答えたのに…。
ごめん太ピー。
ごめん。
22年も音楽から離れていたよ…ごめん。
太ピーの分も頑張ろうと思っていたのに…。
 
壊れたシンセサイザー、もう買わないかもしれない。
派遣社員て日々の生活には困らないけど貯金は増えないんだ。
あと8年で還暦だろ…
どうしても老後の事を考えてしまう保守的な自分がいる。
でもね、過去の自分の曲を4ヶ月前から宣伝してるんだ。
情熱が蘇ったんだよ。
 
今の俺は太ピーが知ってるあの頃の石川なんだ。
俺は太ピーを、今も昔もこれからも兄貴と思ってるよ。
太ピーよく言ってくれたよね…
「ボーカルはバンドの顔だから頼むぞ石川。」
「全力でバックアップするからね」って。
 
今、太ピーをたくさん思い出して涙が流れた。………
……俺たちは今日、【 再会 】したんだね。
 
しばらくぶりにデモテープオーディションやったよ。
【第二十六章】、【第二十七章】、【第三十二章】参照。
太ピー、これで許してね。
その代わり俺、音楽業界に対して
「どうか石川善一をお願いします」…ではなく
「俺の過去、俺の夢…いや…俺たちの音楽をサポートしろ!!」…って、
こびる事なく堂々と…そして
互いを認め合った俺たちの音楽性が安っぽくならないように、
強気な心構えでいくからね。


*オリジナル15曲はこちら↓


今だけがあればいい
True blue

オパール
You are shinning bright
あの日君と


#オリジナル曲 #シンガーソングライター #ミュージシャン #バンド #妹のような存在 #オーディション #笑い上戸 #不慮の事故 #死別 #再会 #兄貴分 #カセットテープ #ごめん #派遣社員 #還暦 #保守的 #涙が流れた #ひょうきん #おっちょこちょい #努力 #謙遜 #笑い上戸 #岩手県 #こびる事なく #堂々と #サポート #強気な心構え #パーカッション #サックス #キーボード

×

非ログインユーザーとして返信する